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その昔、わたしの暮らしていた菰野町には「国際スケートリンク」という名前の
スケート場がありました。どこが「国際」なのかいまだに謎ではありますが、何度
も遊びにいったものです。上手な子は、レンタルのスケート靴ではなくて、自分の
靴をもっていたくらいですから、わたしたちの町菰野町の娯楽の場だったのです。
ある日曜日、テレビでフィギアスケートをみていると、父さんが「本物みせたろか」
と言って、私と弟くんたちを車に乗せ、夜のスケート場につれていってくれました。
「ここから見な」とスケート場のまわりを取り囲んでいる看板の間から、覗くように
リンクを見ると、そこには寒空の中ピンクのひらひらとした衣装を着た女の人が、
くるくるとまわっているのが見えました。それはテレビで見る華やかなものとはうら
はらに、どこか哀愁ただよう光景だったのです。
看板の間からみたことも、寒い夜に出かけていったことも、今考えると不思議。
はっきりと記憶にあるのですが、あれは、夢だったのでしょうか・・・。
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『アンジェリーナはスケーター』 キャサリン・ホラバード文 講談社 1680円
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ゆきがふり、池に氷がはりました。アンジェリーナたちはおおみそかに、スケートで劇をしようと、練習をしますが、男の子たちにじゃまされて・・・。
細やかに描き込まれた絵がたのしい、アンジェリーナシリーズの一冊。