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「お風呂にもぐるからみとって」
「ピアノひくからきいとって」
「ジャンプするから、じょうずっていって」
いつだって、好きな人に見ていてほしかったということを、思い出しました。
見ているほうはというと、「はいはい、またなん」と少し迷惑そうだったような。
子どももおとなも、「好きなだれか」がいないと、調子でないものですね。
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『おおきなのはら』 ジョン・ラングスタッフ文 フョードル・ロジャンコフスキー絵
さくまゆみこ訳 光村教育図書 1365円
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おおきなのはらに暮らす、動物の親子。
子どもの成長を見守るかあさん、のびやかに育つ子どもたち。
「あなを ほってごらん」とかあさんがめ。
「あなを ほるから みててね」と子がめ。
「まばたき してごらん」と、かあさんふくろう
「まばたき するから みててね」と子どもたち。
見開きの輝く太陽の黄色。ラストのページの夜ののはら。自然の隅々を言葉すくなく語り尽くした、隠れた名作。
あたたかく、時にきびしいおおきなのはらは、母親そのもの。