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子どもの頃、本を読む時、挿絵がとても楽しみでした。
絵のページまで早く進みたくて、絵を先にみないようにがまんしていました。
この本での、文と絵の結びつきは、強烈な印象を私に残します。
味戸さんの絵は、岩瀬さんの世界を強く濃く引き出していて、その世界の
深さに、すこし躊躇してしまいました。
絵が完璧に物語をとらえているのです。
子どもの私は手にとったかなあ。迷いながらも読んでいたいと思いました。
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『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』 岩瀬成子作 味戸ケイコ絵
PHP研究所 1121円
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るいは、クラスのだれとも口をきかない女の子。そのせいでいじめられることもあり、あまりクラスの居心地はよくありません。
そんなある日、谷川くんという男の子が転校してきます。谷川くんの両親は仕事でブラジルにいて、谷川くんはおばあさんの家から小学校に通っていました。
るいは、谷川くんにならいろいろ話しができると思うようになりますが・・・。
大人の作り出す環境の中でしか生きられない子どもたち。
守られているようで、孤独な子どもたち。
17年前の作品ですが、今がからこそ大人も手にとってほしい物語です。切ない。