・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
せっけん。けしごむ。大好き。
四角くて、けど角がすこしまるくて、大きめだとなおうれしい。
そして使うのではなく、眺めるのが好き。
小学生の時、校門を出たところで、おばさんが教材を売っていました。
子どもたちにおもしろおかしく説明をするのですが、誰もが釘付けに
なったのが、ピンクの大きな消しゴム。今、入会すると全員にプレゼ
ントされるというのです。
かまぼこくらいの大きさで、しかもカレンダーがプリントされている
優れものでした。
その夜は、みんな必死で家の人に「勉強するから」「今度はぜった
い役にたつ気がするから」と頼み込んでいたことでしょう。
その消しゴムを手に入れた子は、誇らしげに机の上に置いて授業を
うけていたのでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『せっけんつけてぶくぶくぷわー』 岸田衿子文 山脇百合子絵
福音館書店 945円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ことちゃんが、せっけんつけてせんたくしていると、まわりに次々と動物がやってきます。
せっけんつけて、こしょこしょ、こにょこにょ、もくもくぷくんと洗い。
きれいなみずで、しゃぷしゃぷ、ぽちゃぽちゃ、さばさばとすすぎ。
力を込めて、ぽしょー、ぴちょー、ちょぽーとしぼる3つの見開きは、何度も何度も眺めたくなります。
そして、みんながすっかりかわいた洗い立てを着ている様子は、ちょっと誇らしそうなのです。