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『きりん』という雑誌を知っていますか?
昭和23年から46年の間に、大阪を中心に発行された、
子どもの詩の雑誌です。
『きりん』には子どもの生きたことばが詰まっています。
地面を踏みしめ、がっちりと根をおろし、どしんどしんと
歩き回り、ごはんを食べ、大声で笑い、けんかをしている
子どもたちの姿があります。
こんな言葉はそうそう出てくるものではありません。
その言葉を前に、圧倒された私は動くことができなくなり
ます。
扉野さんは、この詩を本にしたいとずっと考えています。
私も絶対に出すべきだと思います。どんな育児書より、どん
な教育の専門書より、子どもたちの詩は、力強く私たち大人
に語りかけてくるのですから。
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『どんどんどんどん』 片山健 文研出版 1260円
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この本を語るのは難しい。なぜってひとりのこどもが、
ただもうどんどん、どんどんゆくだけなのですから。
なのに力強い。途中でちょっとひとやすみするところ
でこちらも一呼吸。
そしてさらにどんどん、どんどんいくのです。
子どもの詩のことを考えていたら、この本のことが浮か
んできました。片山さん初期の作品。傑作です。