・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「この匂いって何の匂いかなあ」と思うことありませんか?
鴨川の袂に大きな栗の木があるのですが、今栗の花が満開で、そばを
通るたびに、むせ返るような栗の花の匂いがします。
物干しで育てているトマトの葉っぱからは、ちゃんとトマトの匂い
がしますし、ゴーヤの葉っぱからもゴーヤのいい匂いがします。
どれも今まであまり意識していなかった匂いでした。
先日、とある場所で、「世界で一番臭い缶詰を食べる会」という企
画が催されたとか・・・。
これまた未知との遭遇であったことでしょう。
匂いは記憶や経験と結びついていて、時々どこかをノックするよう
に、いろんなことを思い出させてくれるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ジャミパン』 江國香織文 宇野亜喜良画 アートン 1575円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
母と娘
母とその弟
娘と叔父
3人の関係は自然なようで、不自然。不自然なようで必然。
江國さんは匂いや日常の何気ない出来事、すぐ隣にあって手をのばせは
いつでも触れられるものを通して、まことしやかに3人を描き出します。
そして、宇野さんの繊細で力強いイラストは物語の世界をさらに艶めかせ、
匂いを放つのです。