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お父さんはなんでも知っている人、お母さんはなんでも作れる人。
子どもごころにそう思っていました。そして、おとなになったら、なんでも
よくわかって、なんでも上手に作れるようになるもんだと、思っていました。
そんなわけ、ないですよね!
学ばなければいけません。
きっとまだ、ふたりのできることの半分も、できないんじゃないかな。
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『ぼくの島』 バーバラ・クーニー作 かけがわやすこ訳 ほるぷ出版 1365円
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無人島を開拓して、家を建てた父さん。
子どもは12人。父さんは子どもたちに、土地をたがやして種をまくこと、けものや魚をつかまえることを、母さんはジャムやゼリーをこしらえたり、パンを焼くことを、そして読み書きを教えました。やがて子どもたちは、大きくなり、島を出て行きます。
兄さんたちと同じように、島から出た末っ子のマイサスは、久しぶりに自分の育った島をみて、心臓がくるったようにドキドキして、島にかえることにします。
バーバラ・クーニーが描き出す、移りゆく世の中と変わらない人々の営み、そして受け継がれる思い。
わたしたちも、その一部なんだと、あらためて気づかされます。