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「だいすきなもの なんですか?」
唐突にこうたずねられたら、私はなんと答えるでしょう。
「台所」「夏」「旅行」「お風呂やさん」「東海地方」「本」「石鹸」
ネパールの小さな村に通う、著者が取った写真。集めた言葉。
そのどれもが生き生きとして、楽しげに弾んでいます。
「地面」「牛」「土曜日の2時」「テストが終わった瞬間」
みんなそれぞれにちゃんと理由があります。
「物が溢れているから豊か」「物がないから精神的に豊か」
そんなことじゃあない、「何か」
そう、きちんと自分がいる場所を確かめて、生きているか。
地に根をはっているかどうか。
この本を開くと、そんな子どもたちのまっすぐな気持ちが、伝わってきます。
本の最後に、著者が記した言葉が印象的。
「この村では、小さなことが魔法のような力をもっている。そのことが、
なんだか僕をうれしくさせてくれます。」
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『だいすきなもの』 ネパール・チャウコット村のこどもたち
公文健太郎写真 偕成社 1365円
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