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メリーゴーランド京都店より・・・本を読む日々

junzizi.exblog.jp

桜の季節

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 満開で咲き乱れる桜は、見ていてすこしつらい。
 なのに、「美しい」としかいいようがなく、木を見上げては、
「きれいやなあ、きれいやなあ」と知らず知らずのうちに、
言葉がこぼれています。
 好きだけど、みとれちゃうけど、すこし怖いような、複雑な気持ち。
風で、ひらひらと花びらが舞いだすと、どこかしらほっとします。
 時間の流れを、季節のめぐりを、その変化を、みんなが気にしている。
 桜はわたしたちにとって、特別な存在だと、改めて感じます。

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『ぼんさいじいさま』 木葉井悦子作 ビリケン出版 1680円
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桜の季節_e0132895_15111734.jpg
 たくさんのいきものや、ぼんさいに囲まれて、静かに暮らすじいさま。
宝物のしだれ桜のぼんさいが、満開のある日、うっとり眺めていると、桜のかげから、ひいらぎのかんむりをつけた、小さな少年が現れます。びっくりするじいさまに、ひいらぎ少年は「じいさま、きょうのことは、ずーっと前からきまっていました」と言います。
 山ばとのプン、ねこのクリ、馬のサクラ、みんなじいさまに「さようなら」を言いにきます。
 じいさまは、せすじをすっとのばして、「じゃ、でかけようか」と一言。
 いなくなるのではなく、旅立つという言葉が、しっくりくる。生の終わりをなんともあたたかく、包みこむように描いた、おだやかな作品。

 「桜の花に見送られて、母は、旅立ちました。」
この本を開くとき、おばあちゃんのお葬式での父のあいさつを、いつも思い出すのです。
by merry-kyoto | 2008-04-06 15:27
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