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先日、姪っ子から電話がありました。
「今日は何するん?」と私が聞くと、
「今日はな、ひきこもりするん」と言うのです。
どきっとして「ひきこもりってなにするん?」ときくと
「雨やでな、おうちでいろいろ楽しいことするん」と言います。
なるほど。
いろいろ考えさせられた瞬間でした。
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『ぼくにきづいたひ』 杉山晃作 片山健絵 理論社 1050円
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時として、子どもの本の底力を感じさせられるものに出会います。これは、まさにそんな一冊。
いつもと同じなんでもない夏の1日。特別なことは何もなかったはずなのに、ある瞬間からぼくは周りの景色も、人の顔もすこしちがうように見えたのです。
その微妙な心の変化を、片山さんは見事に描き、杉山さんは限られた言葉で表現しています。
むずかしい哲学書を読むよりずっとすっきりと、おなかにおさまるはず。
誰かに教えてもらえるものじゃなく、じぶんで「ぼくにきづく」瞬間をたくさん持って大人になりたい。